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プロデューサーとは?その醍醐味 予算の読み方キャストとスタッフ上映イベントの実践
     

キャストとスタッフ【2004/02】

 作品に品質という概念があるなら、その品質を左右するのはまぎれもなくキャストとスタッフ。観客の想像力を広げてくれるキャスティングとスタッフィングを実現できれば、作品は予算以上の成果をあげるだろう。

なぜこんなキャストとかスタッフって疑問に思ったことはありませんか?

 キャストやスタッフについては、映像の制作工程でも少し触れているが、映画やテレビドラマを見ていて、なぜこのキャスト、なぜこの監督とか疑問に思ったりすることがあるだろう。観客や視聴者の立場で考えると常識的な期待値は、製作する側の立場になると微妙に違ってくる。ま、キャストでいえば、俳優本人や所属事務所の政治的な関係もあるだろうし、予算や人気、知ってる知らないということが大きく影響してくるだろうが、優れた俳優がすべての役をできるわけではない。スタッフについても同様で、実力ある監督でも必ずしもそのタイプの映画が得意とは限らない。つまり、キャスティング、スタッフィングとは、その作品のトーンマナーやクォリティを決める最も重要な作業である。
 前に原正人プロデューサーがゲストで登場するシンポジウムを聴く機会があったが、渡辺淳一原作の「失楽園」をおしゃれな映画として仕上げたい、だから監督を森田芳光にしたという旨の話をしていた。この作品は東映で公開されているので、東映+渡辺淳一という線で考えると、監督は降旗康男とか、少し前なら女性映画も撮っていた深作欣二が定番だろう。ここで女性映画経験値の少ない森田監督の名前が発想される所にこのスタッフィングのセンスを感じるのである。原プロデューサーは、不倫映画の泥くささを、都会的な映像感覚を持つ森田監督にオファーすることでほとんど払拭してしまっている。

この感覚はパーソナルインデペンデントでも同じ

 パーソナルインデペンデント作品では、監督がプロジェクトの主体になることが多いので、プロデューサーが監督を起用するという感覚は少ない。ということは、キャストはほとんど監督が決めることになる。もしあなたがこういった現場の中で動いているのであれば、プロデューサーとしてほとんど裁量を払える余地はないが、逆にこういうチームは選べる人材が少ないのも事実である。あなたのネットワークを使って監督を説得する絶妙なキャスティングを提案するのも手である。例え先行するイメージのある有名な人材をプロジェクトに加えることができなくても、将来的に映像がつくりあげられた状態を予測した時に、魅力あるキャストやスタッフが作品のクォリティや上映イベントなどでの動員を左右するのは間違いないのだ。提案する価値は十分にあるといえる。

スタッフィングやキャスティングのセンスの磨き方

 スタッフィングやキャスティングのセンスの磨き方として、アニメや漫画などの原作を実写映像化することを想定してスタッフやキャストを自分なりに考えてみるというのはどうだろう。例えば「ルパン三世」なら、峰不二子役を藤原紀香で、というのは誰でも思いつくが、ルパンを誰にするか、次元や五衛門、銭形をどうとらえるかは様々な考え方があるはずだ。
 ただ、プロデューサーとしてキャスティングを考えた場合、単に人気俳優を集めればいいというものでもないし、演技ができる俳優を集めても話題にならないとダメなので、この絶妙なバランスが難しい所である。また、マスメディア的な人気が高い俳優よりコアなフアンを持つ俳優の方がスケジュールと興行を考えた場合に得策となる場合もあるはずだ。100万人動員しなければならない作品と1000枚DVDを売れば良い作品では当然作り方は変わってくる。

キャストやスタッフを決めるのはプロデューサー?or監督?

 これまでの私の経験からいうと、プロジェクトの規模によってこの命題は変化しているように思える。大きな規模のものは、プロデューサーやプロダクションで少なくとも主演レベルまでは決めたり、監督への要望があったりする。小さな規模のものは、比較的監督の思いで決まってきたりする。ただ、これは監督の巨匠度のようなものもあると思うので一概にはいえない。いずれにしろ、プロデューサー、監督、キャスティング担当者などで相談しながら検証していくのが正当だろう。 映像の現場は監督の世界でもある。監督のモチベーションを下げるようなスタッフやキャストを配するのは、プロデューサーとしてこれでまた避けなければならない事態でもあるのだ。

    
 
プロデューサーとは?その醍醐味 予算の読み方キャストとスタッフ上映イベントの実践
     

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