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シナリオ入門書評 起承転結と三幕構成発想に困った時
     

シナリオ入門書評【2004/05改訂 購入ご案内にboopleを追加しました】

 「いいシナリオだからといっていい映画ができるとは限らない。だが、いいシナリオがなければいい映画はできない」。このような主旨の言葉を映像の作り手たち(それは世紀の巨匠から私のような映画学校の講師まで)は、手を替え、品を替えさかんにいい続けてきました。それだけシナリオは大切。でも、いいシナリオって何? それに応えるかのように世の中には、たくさんのシナリオ入門書というものが存在します。
 幸福なことに、他パートと違って、シナリオ入門書には優れたものが数多くあり、ここで私が解説を加える必要がないくらいです。ただし、その方向性はマチマチで、過ったものを選んでしまうと伸びる技術も伸びず、かえって嫌いになってしまうかも知れません。ここでは、シナリオ入門書を僭越ながら評することにより、みなさんのシナリオ入門書選びの参考にしていただけたらと思います。

シナリオの基礎技術(新井一著/ダヴィッド社)

 初心者からプロまでが参考にできるシナリオ入門書の最高傑作。さまざまな技術を非常に洗練された(?)ワードで体系的にまとめており、誰もが一定レベル以上のシナリオを短期間で習得できるようになっている。著者、新井一氏は、かつてシナリオセンターを主宰し、その講議を私も受けたことがあるが、それは筆舌しがたいほどの魅力的なものであった。そこから現在テレビドラマや映画で活躍する多くの人材が排出されているのも納得できる。ドラマの構成法は起承転結を使用。

別冊ドラマ・エンタテイメントの書き方(柏田道夫著/映人社)

 「シナリオの基礎技術」の流れを組む一冊。90年代中盤くらいを中心とした映画を実例をあげることで、「シナリオの基礎技術」のテクニックをより感覚的にとっつきやすく、わかりやすくしている。価格も安い。筆者は現シナリオセンターの講師。ドラマの構成法は起承転結を使用。

別冊ドラマ・エンタテイメントの書き方2(柏田道夫著/映人社)

 「エンタテイメントの書き方」の続編。前作の逆で、90年代中後半の映画や古典的名作からシナリオのテクニックを分析していくようなつくり。シナリオに興味がなくても楽しめる。ドラマの構成法は起承転結を使用しているが、同じ原作作品を舞台における3幕構成と映画における起承転結で解説しているパートがあり興味深い。

脚本家になる方法(福田卓郎著/青弓社)

 仕事としての脚本(シナリオ)に多くのページが割かれていて、技術入門というよりかは、プロとして生きるための入門の重点が強い。ただ、プロットから箱書き、シナリオへと進化する過程が実例で載っていたりと参考になる項目多数。ツボをついた構成になっている。ドラマの構成法は起承転結をベースにしつつ、2時間ドラマの時間軸を例に説明している。

ハリウッドリライティングバイブル(リンダ・シガー著/愛育社)

 一度書いたシナリオをいかに直すかという発想から生まれた新しい考え方のシナリオ入門書。各種のストーリーを分析するフィルム&メディア研究所が日本語の監訳を担当している。正直日本の縦書きのシナリオに慣れていると、横書きということだけで読みにくい所もあるが、これからは海外にも進出しなくては…という考えからいくと、横書きに慣れておかなければいけないのかも知れない。日本発の起承転結型のシナリオ入門にはない技術ポイントが多数存在。それは入門というスタンスではわかりにくいものかも知れないが、同時に価値のあるテクニックであったりもする。ドラマの構成法は3幕構成を使用。

ハリウッド脚本術(ニ−ル・D・ヒックス著/フィルムアート社)

 直接書き込むワークショップの手法を取りながらシナリオを学んでいく参加型のシナリオ入門書。説明に哲学用語のような難しいワードが多く、そういうのに拒絶反応をおこす方にはオススメできない。逆に理論・評論から映画に入っていっている人にはわかりやすいのかも。また、アメリカの正式なシナリオの書き方からギャラの話まで、かなり詳細にハリウッド映画の裏シナリオ街道が読めるのは面白い。ドラマの構成法は3幕構成を使用。

アカデミー賞映画で学ぶ映画(シナリオ)の書き方(新田晴彦/スクリーンプレイ出版)

 実際のシナリオをきちんとある程度読ませながら、様々な技術を説明していく。ここが他のシナリオ入門書にない最大の魅力。日本とアメリカのシナリオの違いを説明していたりしていて、翻訳ものにない入っていきやすいつくりになっている。取り上げている作品を見てるとより一層で、ちょっとした映画評論集感覚で読めてしまう。ドラマの構成法は起承転結を使用。

 最後にこういうシナリオ入門はダメというのをあげると…。技術じゃない、思いだ。シナリオに正式な書き方なんてない。 とにかく書くしかない、そうすれば技術は自然に身につく。腰の高さまで原稿を積み上げるくらい書かなきゃダメ。こんなワードがあるものは要注意である。こんな苦労をしたというエッセイにのみ終始しているものなんかをシナリオ入門書と勘違いしないようにしたい。そして何より、読者(あなた)を飽きさせてしまうものを避けてください。

    

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